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有機農業データベース
     

はじめに 
この有機農業データベースは主に野菜作物関係の情報リンク集です。有機農業の普及に役立つと思われる各種情報を広く収集し、キーワードごとに分類、整理しユーザーが必要とする情報を容易に検索、閲覧できるようにしています。

 
このデータベースの構成は有機農業データベース(現在ご覧になっている画面)キーワードリストキ−ワードとなっています。例えばハクサイについてのインターネット情報を検索する場合はキーワードリスト(キーワードでインターネット情報を検索)キーワードリストの中のハクサイと進んでください。


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有機農業データベース
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 健康に良いという理由で有機農産物を食べたいという人は増えています。しかし、今、日本で有機農業が行われている面積は耕地総面積4,692千ヘクタールのたった0.16%(農林水産省作成:有機農業の現状と課題:P28(リンク)だそうです。

 例えば、農薬の低減は環境保全の面から重要な課題ですが、有機農業は(単純な言い方をすると)農薬の低減にたった0.16%しか貢献していないのです。0.16%という数字は今まで有機農業に投入された資金と労力にふさわしいものでしょうか。私にはそうは思えません。

 なぜ有機農業の普及が遅いのでしょうか。理由は簡単です。有機農業では利益がでにくいのです。有機農業では生活していけないと思っている人が多いので有機農業の普及が遅いのです。従って有機農業普及のためには有機農業者が今まで以上にコスト意識を持って「利益の出る有機農業」を目指す必要があります。また、有機農業で利益を出すための情報入手を容易にする必要があります。

 稲や野菜にただ有機肥料を施せばそれで良いというものではありません。農産物の収穫量を左右する要因はたくさんあります。その要因は何なのか、その要因はどのような状態が望ましいのか、今自分の田や畑はどのような状態になっているのか、望ましい状態と現状のギャップをどのようにして解消するのかをたえず考え、行動しなければなりません。
科学的根拠(十分な根拠)に基づいた有機農業が必要なのです。ギャップの完全な解消は至難です。しかし収穫量はギャップの解消度合いに相当して得られるのです。

 農業は自然を相手として行う行為です。自然には自然の摂理(メカニズム)があります。私たちは自然のメカニズムをよく理解し、自然のメカニズムに沿った農業を行うことにより、より安全で豊かな収穫が得られるものと考えます。私たちの先人はこの自然のメカニズムを解明するために膨大な時間を費やしてきました。私たちはその成果を最大限利用することにより、有機農業をより普及させることができるものと考えます。

 幸い、今、インターネット上には国や県、各種団体、個人の研究成果が公開されています。しかしながら現状では素人が「今、必要としている情報を」インターネットで引き出すことは非常に困難です。そこで素人がこれらの情報を「従来よりも簡単に」引き出すためのツールとしてこのデータベースを考えました。

 日本で有機農業が始まってから既に30年以上が経過していますが、その普及率は日本の耕地面積の1%以下です。日本の耕地面積の99%以上は有機農業によって得られる恩恵(農薬の低減など)の対象外にあるのです。有機農業の普及のための努力をしている人はたくさんいます。しかし、その成果は有機農業の普及にほとんど寄与していません。有機農業普及のためにやらなければならないことが他にあるのではないでしょうか。それは「インターネットを通して有機農業の技術を普及させる」ということです。「インターネットを通して有機農業の技術を普及させる」ことを前提として既存の有機農業技術を収集、整理してインターネット上に公開するだけでも有機農業の普及率は格段に向上するすると思います。もちろんそれは個人の努力では到底達成できるものではありませんが、ここでその一端を提案したいと思います。


 ご利用のご注意

 
まず「有機農業Q and A」を読んで有機農業の全体像を理解し、その上で下記の各論に進んでください。そのほうが有機農業を深く理解できます。


「人と自然にやさしい農業を目指して(知っておきたい基礎知識)(三重県)」は初心者向けです。

「環境保全型農業技術(解題)(農林水産研究情報センター)」は上級者向けです。

私が特に重要と考えるキーワードは 土壌 診断 技術 基準 物理性 生物性 化学性 肥料 堆肥 ボカシ肥 施肥 基本 考え方 効果 弊害・障害 特徴 方法 注意点 メカニズム 除草 病害 害虫 法律 算出法 の24です。 

 尚、インターネット上では頻繁にURLの変更、廃止が行われます。このためリンクが切れてしまうことがあります。ご了解ください。



有機農業あれこれ
1.有機農業とは
 有機農業の定義は実ははっきりしていません。「有機農業の推進に関する法律」(リンク)では有機農業を次のように定義しています。すなわち、「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。
しかし、この定義は「有機農業の推進に関する法律」に適用されるものであり、この法律以外に対して適用されるものではありません。次に「有機農産物」を生産するのが有機農業であるとの考えがあります。「有機農産物」は「有機農産物の日本農林規格(JAS規格)(リンク)」によりその生産方法が厳密に定義されていて、しかも認定機関により認定されたものです。従って、有機農産物は有機農業により生産されたものです。しかし、「有機農産物」の要件を少しでも満たさない「農産物」を生産する農法は「有機農業」ではないのでしょうか。結論をいえば「有機農産物」の要件を基本としながらも、要件を多少満たしていなくても一般には「有機農業」とされています。つまり、有機農業の定義ははっきりしていないのです。

2.私のめざす有機農業
 有機農産物の日本農林規格(JAS規格)(リンク)に準拠した農法であり、従ってこの規格で許される肥料及び土壌改良資材(別表1)(リンク)、農薬(別表2)(リンク)、調整用等資材(別表3)(リンク)この規格が認めた「圃場の状況」においては使用可能と考えます。別表1、別表2、別表3は無制限に使用を許されている訳ではありません。どのような場合に使用が許されるのかはこの規格で十分確認する必要があります。

3.有機農業は持続可能な農業か?
 有機農業は持続可能な農業であるという人がいます。この「持続可能な農業」とはどういう意味なのでしょうか。もしも「有機農業は循環型農業だから消費型資源の減少をもたらさない」という意味なら、それは間違いです。確かに圃場に投入する有機物や有機肥料は循環型かもしれません。しかし、有機農業でもエンジン付きの機械を使用していているのです。そのエンジンは消費型資源である石油を消費しているのです。さらに有機農業にたずさわっている人たちは日常生活の中でさまざまな消費型資源を消費しています。有機農業といえども消費型資源を消費していることには変わりありません。消費型資源の消費量が慣行農業よりも少ないだけです。「有機農業は持続可能な農業」という言葉は適切ではありません。「有機農業は持続性の高い農業」というのが適切であると考えます。

4.環境汚染
 化学肥料の過剰な投入が環境に大きな負担を与えています。ヨーロッパでは地下水に硝酸イオンが蓄積される傾向が見られるようになりました。硝酸は作物の肥料としては欠かせない成分ですが、これを多量に含む飼料を食べた牛は酸素欠乏状態になり、生後間もない人間の赤ちゃんが汚染された地下水を飲むと血液が青くなるブルーベビー症を引き起こすことがあります。又、化学肥料成分の流出による河川の富栄養化も問題になっています。では有機肥料は環境に負担をかけていないのでしょうか。そんなことはありません。化学肥料ほどではありませんが、家畜糞堆肥の環境汚染がすでに問題になっています。化学肥料であろうと有機肥料であろうと過剰投入は環境を汚染します。

5.有機農産物と化学肥料、農薬、土壌改良資材、その他の資材

 「有機農産物の日本農林規格」(リンク) では有機農産物の使用禁止資材として、肥料及び土壌改良資材(別表1に掲げるものを除く)、農薬(別表2に掲げるものを除く)及び土壌又は植物に施されるその他の資材(別表3に掲げるものを除く)を指定しています。別の言い方をすると、有機農産物を生産するために別表1,別表2、別表3に掲げる肥料、農薬、土壌改良資材、その他の資材は必要最小限の使用が認められています。使用できる条件については「有機農産物の日本農林規格」に記載されています。なお、化学肥料は「肥料」に含まれます。従って別表1以外の化学肥料は使用禁止資材です。有機農業の基本的な考え方は「農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び(化学的に合成された)農薬の使用を避ける」ことにあります。作物の肥培管理は「当該ほ場において生産された農産物の残さに由来するたい肥の施用又は当該ほ場若しくはその周辺に生息し、若しくは生育する生物の機能を活用した方法のみによって土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進を図ること。ただし、当該ほ場又はその周辺に生息し、又は生育する生物の機能を活用した方法のみによっては土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進を図ることができない場合にあっては、別表1の肥料及び土壌改良資材にかぎり使用することができる」とされています。


6.食品としての安全性
 「農薬も化学肥料も使用していないから安全です」という人がいます。しかし「農薬も化学肥料も使用しない」ことがそのまま食品の安全性を保証することにはなりません。「農薬も化学肥料も使用していない」ということから「安全」という結論を導き出すことは論理的に無理があります。絶対に安全な農産物というものはありません。農産物には次のような安全を脅かす要因があります。これらの要因をそのまま放置することは許されません。これらの要因はその危険性の度合が評価され、危険性の大きな要因は何らかの規格により規制される必要があります。それが「有機農産物の日本農林規格」です。食品としての安全性を強調するなら「有機農産物」としての認定を受けるべきです。認定を受けていない農産物はいくら「有機農産物と同等、又はそれ以上」と言っても、その安全性が保証されてはいないのです。農産物の安全性が保証されなければ有機農業の普及はなかなか促進されません。
農産物の危険要因
@農産物は大気や土壌からダイオキシンなどの有害物質を吸収している可能性があります。
A農産物は雨から大気汚染物質を吸収している可能性があります。
B田んぼに川の水を利用した場合、上流域で使用した農薬の成分や汚濁物質が含まれている可能性があります。
C田んぼに地下水を利用した場合、上流域で使用した農薬の成分が含まれている可能性があります。又上流域に産業廃棄 物の処理場があった場合、地下水に有害物質が含まれている可能性があります。
D作物の苗に水道水を与えた場合、水道水には殺菌のために塩素が含まれています。
E作物の種子を購入した場合、その種子は薬品で処理されている可能性があります。
F耕作地が借地であった場合、前の耕作者が農薬を使用し、その農薬が農地に残留している可能性があります。
G隣接する農地で使用した農薬や除草剤等が飛来する可能性があります。
Hほ場には有害な動植物が発生する可能性があります。
I私たちの身の回りには有害な草木が多数存在します。これらが有機物や有機肥料に混在する可能性があります。
J植物には生体防御機構があり、生体防御物質を保有しています。生体防御物質の中には人体に悪影響のある化学物質もあり、その量は農薬を使用しない植物の方が多いと考えられます(農薬を使う植物は農薬により外敵から防御されるので植物自身が生体防御物質を多く保有する必要がない)。
K素人が作った木酢液には発ガン物質が含まれている可能性があります。
L有機肥料でも過剰に投入すれば作物に硝酸態窒素が蓄積し、消費者の健康を損なう可能性があります。
M堆肥の成分の元になる家畜の飼料を生産するために農薬が使用された可能性があります。
N堆肥の成分の元になる家畜の飼料には亜鉛などの重金属が含まれている可能性があります。(家畜の繁殖向上のため)
O堆肥の成分の元になる家畜のふんには抗生物質・ホルモン剤などの薬品が残留している可能性があります。
P農産物加工の過程で有害な物質が使われる可能性があります。
Q農産物の保存の過程で有害な物質が使われる可能性があります。
R農産物出荷のための袋、箱の有害揮発分が農産物に浸透する可能性があります。

7.食品としての味
 有機農産物は「おいしい」といわれます。有機肥料は肥料の効果がすぐには現れないため土壌が低養分となり、土は空気をたくさん含んでおり乾き気味になります。このため、植物がストレスを受け生き残るためにさまざまな防衛反応を起こし、結果としておいしくなると言う説が有力だそうです。有機農業では味の良い農産物を作りやすいと言えます。但し、有機農産物でも肥料が不足すれば、化学肥料で栽培したものより、味が劣ることがあります。又、窒素が過剰に施肥されると野菜に硝酸態窒素がたまる恐れがあり、この場合味が良くありません。

8.有機肥料の課題
 
作物の種類によって農地に要求される養分(肥料分)は当然異なります。作物が必要とする養分と農地が今持っている養分の差を肥料として与えることになります。肥料は多すぎても、少なすぎても問題があります。少なければ十分な収穫が得られないですし、多すぎれば植物の発育に障害を与えます。多すぎる肥料の一部は地下水を汚染したり、河川に流れこんで富栄養化の原因になります。
 ところで、作物に肥料を与える時、有機肥料だけでは問題になる場合があります。例えばカリが不足しているからカリを与えようとしても成分がカリだけの有機肥料はほとんどありません。ほとんどの有機肥料は窒素やリン酸も含んでいるのです。従って不足分のカリ分を与えるとその農地には窒素やリン酸が過剰に存在することになります。この過剰な成分がわずかである場合は問題ありませんが、多くなれば過剰な成分が植物の成長を阻害し、地下水の汚染や河川の富栄養化の原因になります。

9.無肥料栽培について
 無肥料栽培者の中には「自然の木や草は肥料を与えていないのに立派に育っている。だから作物も本来肥料を与えなくても栽培できる」という人がいます。しかし、これは間違っています。自然の木や草は土壌から養分を吸収して成長します。そして寿命がくると枯れて、その養分は再び土壌に戻るのです。又、立派に成長するのはその土壌に適した植物だけです。それに対して農業は収穫物(養分)をその土壌から持ち去ってしまう行為です。又、作物は必ずしもその土壌に最適なものではありません。土壌は植物が育つための養分を持っていますが、その量は場所によってさまざまです。植物は成長するために土壌から養分を吸収しますが、一方では葉や根は養分を合成し、その一部は土壌に戻されます。雨や風は土壌に養分を供給したり、奪い去ったりしています。土壌には養分を蓄える力(保肥力:CEC)がありますがそれは場所によって異なります。もしも、作物を栽培する土壌が十分な養分を保有していれば、当面無肥料栽培は可能です。しかし長期的に見た場合、土壌に対する養分の収支はマイナスになるのが普通であり、肥料なしでは十分な収穫は得られません。

10.さまざまな農法
 有機農産物にも多くの危険要因はあります。では無肥料栽培はどうでしょうか。確かに有機農産物の危険要因のいくつかは減少します。従って農産物の危険要因の大きさは 慣行栽培>有機栽培>無肥料栽培 ということになります。しかし、無肥料栽培であっても絶対安全ではないことは明らかです。農法を論じる場合重要なことは
たくさんありますが、特に重要なことは健康に対する安全性普通の人でも買える価格であること世界の人口を養える量が生産できること地球環境の保全に大きく貢献できることであると考えます。この5つの要件のバランスが重要です。いくら健康に良い農法でも、供給量不足のため飢え死にする人がいてよいはずがありません。当面、世界の人口を量的に支えるためには慣行栽培を無視できません。ある種の化学物質アレルギーの人々については無肥料栽培品は救いになります。このように世界中の農法を単一の農法に統一しようとすることには無理があります。各農法には一長一短があるのです。私たちに求められているのは自分が支持する農法を絶対化して他の農法を完全否定することではありません。世界の農業をバランスよく段階的に改善するために、今、何をしなければならないのかということなのです。私は世界中を有機農業で統一しようと主張しているのではありません。有機農業の普及率があまりにも低いのでこの普及率をもっと高めることが人類のために有益であると考えているのです。

11.有機農業の基本
 私は有機農業の基本を次のように考えています。すなわち健康な土壌に、健康な苗を植え、適切な施肥、適切な管理をして、環境にやさしく、味よく、体に良い作物を、安く、世界の人口を養える量を、継続的に収穫するためにいつも努力するものです。基本的に農薬を使用しないので、病虫害が多発した場合有効な対応は困難です。従って病虫害を多発させない工夫が必要です。そのためには有機質肥料を多用し、農作物が生育する環境(特に土壌)の生物多様性を確保し、特定の害虫や病原菌だけが多発しないようにします。

12.健康な土壌
 健康な土壌とは次の条件を満たしたものです。
 @作物に適した化学性(養分)であること。
 A作物に適した物理性(通気性、排水性、保水性など)であること。
 B作物に適した生物性(土壌中の有機物を分解し、土壌病害を抑制する土壌動物・微生物)であること。

13.土壌の化学性
 三重県作成「知っておきたい基礎知識(土壌編)」によれば植物の養分になる元素は次の通りです。
 ●多量元素(必須元素):酸素、水素、炭素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄
 ●微量元素(必須元素):鉄、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素、モリブデン、塩素
 ●有用(益)元素   :コバルト、ナトリウム、セレン、ケイ素、アルミニウム、ヨウ素
 ●有害元素     :カドミウム、ヒ素、鉛、水銀、ニッケル
 必須元素16のうち水や大気から無限の供給がある酸素、水素、炭素を除く13の元素が植物の周囲(有効根群域)の土壌に過不足なく存在することが必要です。有用(益)元素は植物に有害な場合もありますが、植物の種類によっては要求性があったり、作物の増収上施用効果が明らかな場合があるものをいいます。有害元素は植物の必須性がなく、植物の生育またはそれを摂取する動物の健康に害がある元素をいいます。
 土壌の化学性の主要管理項目には次のようなものがあり、作物によりその適正値が異なります。詳細はデータベースを参照ください。この中で最も重要なのはCECです。CECは土が肥料をどのくらい貯えることができるかを示した数値です。
 @CEC(塩基置換容量)・・・窒素、石灰、苦土、カリの保肥力
 ApH
 BEC(電気伝導度)
 C塩基飽和度
 D石灰飽和度
 E苦土飽和度
 Fカリ飽和度
 G可給態リン酸

14.土壌の物理性
土壌の物理性性には主に次のようなものがあり、作物によりその適正値が異なります。詳細はデータベースを参照ください。
 @作土の厚さ
 A地下水位の深さ
 B日減水深
 C有効根群域の粗孔隙
 D有効根群域のち密度
 E有効根群域の必要深

15.土壌の生物性
 有機物や有機肥料の施用により、土壌中の小動物や微生物の生活環境が良くなり、次のような効果があります。詳細はデータベースを参照ください。
 @有機物の分解、窒素の固定
 A病原菌、害虫の抑制
 B有益菌、拮抗菌の増殖

16.有機農業の課題
 
有機農業は確かに「持続性の高い農業」です。しかし、その普及速度は遅すぎます。有機農業が「持続性の高い農業」であることは重要ですが、それと同様にそれが地球環境の保全にどれだけ貢献しているかも重要です。現状では有機農業が地球環境の保全に大きく貢献しているとはとても言えません。地球環境の保全に貢献するためには有機農業の面積がある程度の広がりを持つ必要があります。現状は理念を重視しすぎて効率があまりにも軽視されています。理念を重視しすぎるあまり、自分の主張の論理的不整合性を軽視したり、あるいは不整合性があるということ、有機農業にも多くの危険要因があることをを考えたくない人が多いように思えます。結果としてそれが有機農業の普及が遅いことにつながっていると考えます。有機農業にも多くの危険要因があることを認め、それぞれの危険要因の危険性の大きさを評価し、危険性の大きな要因についてはこれをどのように管理するのか、仕事の効率を高め収入を増すためにはどうしたらよいかをもっと考える必要があります。収入が増え、有機農業でも生活できると考える人が増えれば有機農業はもっと普及するものと考えます。ただし、何が何でも効率アップと言っているのではありません。理念を重視しすぎても、効率を重視しすぎても弊害が大きくなります。どちらにも偏りすぎるべきではないと考えています。

17.有機農業普及のために
 有機農業は今までに投入された費用、労力に見合う普及をしていません。もっと費用対効果の効率を改善する必要あります。そのためには次の項目をたえず自分に問いかける必要があると考えます。
@その科学的根拠は何か?
 有機農業の手段にも色々なものがあります。科学的根拠の無いものはすなわち、自然の摂理に反する行為です。

Aその効果は「有意」か?
 有機農業に何らかの形で関与している人は地球環境保全に何らかの貢献をしていることになりそれはとても重要なことです。しかし、全体論としてはこれだけでは有機農業が地球環境保全に大きく貢献できないことは明らかです。つまり、私たちは「何らかの貢献」をすると同時に「どれだけ貢献しているか」も考えなければならないのです。
 何らかの行為をすれば、そこには何らかの効果が発生します。しかし全体論としてはその効果が限りなくゼロに近いものであってならないのです。「有意」つまり意味のある効果を追及しなければ地球環境保全に大きく貢献することはできないのです。

B普通の人でも出来るか?
  有機農業の実践者の中には非常に高度なレベルの人がいます。しかしその中には「とても普通の人には出来ない」と思われるものもあります。普通の人でも出来る技術を追求する必要があります。
C家庭菜園と農業を混同するな。
  家庭菜園は採算がとれなくても問題ありません。しかし農業はその収入により家計を支えるものですから、採算がとれなければ成り立ちません。採算意識が重要です。
D合理的な努力が必要
 どんなに努力しても農産物の危険性をゼロにすることはできません。「危険性はあるレベル以下に管理する」という考え方が重要です。たとえば特別栽培農産物は化学的に合成された農薬や化学肥料を5割以下に削減したものですが、有機農産物
の倍以上の面積で実施されれば日本全体では有機農産物よりも農薬の低減に貢献することができるのです。農薬の使用量が少ない農法の方が地球環境保全により大きく貢献できるとはかぎりません。有機農業は普及率の面で伸び悩んでいます。それはコストを無視して危険性の削減に邁進(まいしん)していることに大きな理由があります。その結果有機農業の普及がなかなか進まず、地球環境の保全に大きく貢献することが出来ないのです。「今の努力が合理的な努力かどうか」を各自が自問すれば農産物のコストが低減され、それは有機農業者の増大となり、地球環境保全に大きく貢献できるものと考えます。
E安全性の認識向上
 有機農業の実践者の一部は農産物の危険性の認識が低いように思われます。「有機農産物って本当に安全なの?」と思っている人はたくさんいると思います。適切に生産された有機農産物の安全性に疑問が持たれているのではありません。適切に生産されているかどうかに疑問が持たれているのだと思います。有機農産物でも危険要因はたくさんあります。しかし、各種書籍、インターネットを見ても、有機農産物の優れた点を強調しても、生産に由来する危険要因を周知徹底させようとするものはほとんどありません。従って、このような状況では普通の生産者がこれらの危険要因をあまり理解していなくても不思議ではありません。例を挙げると、一つは木酢液の発がん性です。木酢液は十分に品質管理されたものでなければ安全ではありません。素人が作ったものは発ガン性物質が含まれている危険があります(リンク)。次に有毒植物の存在です。私たちの身の回りには有毒植物が多数(100種類をはるかに超えます:(リンク)存在します。これらの有毒植物が有機物や有機肥料に多量に混在していいはずがありません。有機農業の普及の為には有機農業推進者は危険要因をもっと周知徹底し、消費者の不安を解消させる必要があります。

F原因は何か?

  有機農業でも問題は限りなく発生します。その問題に対して「その原因は何か」を常に考えなければなりません。考えても答えが見つからないことが多いのですが、それでも考えなければなりません。その積み重ねが前進につながります。
Gもっと効果のある方法は?
  人から聞いた方法をそのまま実施しているだけでは進歩はありません。人から聞いたことをまず習得した上で、さらにその上を目指さなければなりません。日常の作業でもやり方を少し変えただけで効率が大きく改善されることがたくさんあります。